2009年11月24日火曜日

天丼ひとつ

 たぶん司馬遼太郎の街道が行くで見たか聞いたかしたことだと思うけど、こんな話があった。
 日本海海戦の際、連合艦隊はバルチック艦隊が二通りの進路をとることは予想できても、どちらをとるかまでは直前までわからず、最悪の場合には敵をおっかけていかないといけないということで、無補給で行けるよう甲板の上まで石炭を積んでいたとか。
 この石炭はイギリス産の高級品で、海軍は、結局、連合艦隊最後の艦隊決戦となる戦闘にむけて大奮発をした。
 さて、いざ、敵艦みゆとなったら甲板の上にまで積み上げられ、大砲の邪魔になった石炭を海に捨てないといけなくなった。
 日頃から一抱え天丼一つとその値段の高さを吹き込まれていた兵隊の中には、「天丼一つ、天丼一つ」と言いながら石炭を海に投げこむ者もいたという。
 どうも、「天丼一つ、天丼一つ」というのが強烈に印象に残っている。やはり食いものにからむと記憶の仕方が違うらしい。
 でも、もしかしたら上の話も記憶が違えているのかもしれない。

0 件のコメント:

コメントを投稿